広島・宮島・犬島
2009年3月24日~3月28日
7:32小杉発サンダーバード。京都でのぞみに乗りえ広島には12:05着。
広島は美しい街。何より見たかったのは広島ピースセンター、丹下健三のあまりにも有名な建築です。写真で見るより強く印象を受けたのはピロティ。ピロティのスケール感と丸みを帯びた柱脚のやわらかな雰囲気が想像を越えていました。1955年竣工だけれど今なお圧倒的な存在感と美しさ。原爆の展示と合わせて大きな衝撃を受けました。翌日は一日広島の街を川べりを歩きながら考え続けてしまいました。昨日見た広島のこと、今の美しい広島のこと、そしてさまざまなことを・・・
3月26日朝、海辺に泊まったホテルからフェリーで宮島へ。宮島の厳島神社は海に浮かぶ神社として有名ですが鳥居の写真が強烈で私の中では本殿が抜けていました。壁がなく床と屋根だけで、鮮やかな朱色が海の色に映え、回廊を歩くたびに景色が変わりワクワクします。平安時代の平清盛の作。何という発想・・・何という自由さ・・・何というセンスの良さ・・・能舞台などもあり、一体どんな使われ方をしていたのだろうか?平清盛をもっと知りたくなりました。楽しんで歩いてまた戻りも楽しもうと思っていたら一方通行でした。
直島についたとたん大きな赤いカボチャがお迎えです。島に点在する芸術作品の一つ(草間やよい作)でした。フェリーターミナルは細~い柱で薄~い屋根を支えているガラスの建築。妹島さんみたいと思いながらすぐにやってきたシャトルバスに乗り込みベネッセハウスへ。着いて一息入れてから地中海美術館へ。途中屋外作品を見ながら海風に吹かれながら気持ちよく少し歩きました。
美術館までは遠いので途中のミュージアムでバスを待ちます。ホテルのシャトルバスと町営バスが頻繁に往来していて、シャトルバスは無料で町営バスは100円。美術館へ入るにはチケットセンターで時間の調整をしながらOKが出るまで待ちます。「今団体の方が入っているのでもうしばらくお待ちください」とのこと。そこから入り口までかなり離れていて数分歩かなければいけないのです。美術館はそれ自体も芸術作品としての位置づけなので写真は厳禁とのことでした。
ずっと歩いて少々疲労気味だったのでカフェで休もうと、外が気持ちよさそうだと思って聞くとOKとのこと。でも外にテーブルは見えないので娘が見てくると言って偵察に。良さそうだよと言うので、外へ出て階段をおりていくとホッコリと気持ちよさそうな空間。後ろを壁で守られていて誰からも見えず前は・・・瀬戸内の海がキラキラ光って、島々が点在し、遠くには高松の街が蜃気楼のよう、右手遠くに瀬戸大橋。すっかりくつろいで幸せな気分。もうどこへも行かなくていい、ここに居ようと。本当にこんな時は心から安藤氏に感謝したくなります。流れる雲を見ながらビールを飲み・・・建築って・・・などと。
とは言ってもミュージアムでは5時から案内ツアーがあるというので離れることにしました。(美術館とミュージアム、紛らわしいけど別の建物)ここに置かれている作品はどれも幸せな作品。贅沢な空間に置かれたそこだけの作品。夕食はベネッセハウスのレストランへ。夜になる前のブルーモーメントの時間帯がとても美しい。目の前は海なので夜になると真っ暗で何も見えなくなってしまうのです。ベネッセの前の海岸にも黄色いカボチャがありました。台風の時に海に流されて遠くまでもらいうけに行ったとか、海に浮かぶ巨大なカボチャ、想像しただけで楽しくなります。
地中美術館
翌朝もゆっくりしてから宮浦港へ。フェリーターミナルはやっぱり気になるので少しウロウロ、う~ん、いい。後で調べてみたら設計:妹島和世+西沢立衛/SANNAでした。
12:00出発の船に乗り最後の目的地犬島へ。犬島では「犬島アートプロジェクト」というのが島全体で展開していく予定で今はその一期。ここの見学は完全予約制で時間も決まっています。古い精錬所(銅)の遺構を保存、再利用し建築は三分一博志、アートは柳幸典。ここを説明するのはとても難しいと感じます。写真をみても説明を読んでもよく分からないのです。行って見て感じて初めて深~く心に響く。ここのアートは見るだけではなく五感全部に強く訴えかけてくるのです。
始めて体験する感じでした。
犬島 精錬所